
司会
森碧輝
ヤドリギ/AVA3.0 *10/1より共同代表
2002年京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士一年。松岡正剛編集のオブジェ・マガジン『遊』を中心に、編集行為の創造性を研究。2023年よりコミュニティ「ヤドリギ」主宰・編集長。アーティスト・コレクティブ「匏/PÁO」所属。2026年10月よりAVA3.0共同代表。思考や試行を駆動する「メディア」(媒体/場)と、そこで生じたものを「アーカイヴ」する方法に関心を持つ。藝環会京都篇を企画運営。
「藝環会」は、アートスペースをはじめ、さまざまな場やコミュニティを自主的に運営する若手作家・実践者たちが、地域を越えて接続し、それぞれの現場にある課題や展望を共有するトークイベントです。東京・池之端のAVAで開催した第一回に続く「京都篇」では、各地域が抱える固有の課題に、より丁寧に目を向けます。地域ごとの違いを比較するだけでなく、それぞれの実践から、場を運営し維持すること、そこで起こる出来事を記録し残していくこと、そして制度との距離を取りながらそれらを続けることの意味を考えます。
ファインアートやオルタナティブスペースという枠を越え、自主的に場をひらく多様な実践者とともに、場所をつくり、記憶をつなぎ、領域をまたぐ方法を探ります。ばらばらな実践は、ひとつにまとめないまま、続いていくことができるか――。

司会
ヤドリギ/AVA3.0 *10/1より共同代表
2002年京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士一年。松岡正剛編集のオブジェ・マガジン『遊』を中心に、編集行為の創造性を研究。2023年よりコミュニティ「ヤドリギ」主宰・編集長。アーティスト・コレクティブ「匏/PÁO」所属。2026年10月よりAVA3.0共同代表。思考や試行を駆動する「メディア」(媒体/場)と、そこで生じたものを「アーカイヴ」する方法に関心を持つ。藝環会京都篇を企画運営。

西部講堂
2003年福岡生まれ。京都在住。Semi-underground Press共同主宰。西部講堂連絡協議会加盟員。アナキズムを中心とした社会思想に関する論考の執筆、展覧会評や都市にまつわるZINEの制作などを行う。また、京都や大阪、香港などで上映会やトークイベント等を企画・主催。現在、雑誌『TENSEGRITY』(創刊号特集:空間をめぐって)創刊に向けた編集・執筆を行なっている。
京都大学の西部講堂という場所の自主管理・運営を行う組織である、西連協に加盟し、普段の運営に携わっています。万人に開かれている西連協は、各人が自由に、演劇、音楽、映画上映、トークイヴェントなど様々な企画書を、月に2回の定例会議に提出し、加盟員で審議を行っています。その企画が可決されれば、誰でも企画を打つことができます。そこに、年齢や属性に関わる格差は存在しません。様々な方が、様々な仕方で関わり合い、西部講堂を使用する、すなわち自治を行っているのです(そのため、今回のイヴェントでの発言も、わたしが西部講堂を代表するなんてことはできるはずもなく、そこに関わる人間の1人として好き勝手に発言しているものとして理解してもらえると嬉しいです)。
また、イヴェントの開催だけでなく、日々の掃除や設備の拡充など、地道な作業も行っています。ぜひ、イヴェントに遊びにきて感じてください!
まず、「関西」という区分を設けるのが適切なのか疑わしいということを指摘しておきます(また、「関西」という単位で何かを考えるとき、それに対置するものとして「関東(≒東京)」が提示され、その消費社会的な側面を批判することに終始してしまうことがしばしばあります。それが無意味とは言いませんが、そのようなドメスティックな比較・検討に閉じてしまうことは、今回のイヴェントにおいてーー少なくともわたしにとってーー重要ではないでしょう)。
その上で、グローバルなアート・シーンにおいて、〈場〉を作っている人々が、ローカルな文化/経済/政治状況に揉まれて生じる課題や問題意識を共有することは重要でしょう。そこで浮かび上がってくる問題は、必ずしも土着的なものではなく、むしろ関西を超えて国際的な問題であることだろうと思います。それは、現在の国際的な諸情勢を見れば明らかなように、ポピュリズム/ナショナリズムが台頭し、リベラルな価値観の後退が目立ち、GoogleやOpenAIに代表されるようなデジタル・サーヴィスを介して思考・記録の一元化が起きる時代状況においては問題となる事象そのものが国際的であるからです。
だからこそ、(登壇者を超えた)みなさんが関わるあらゆる〈場〉を通した豊かな実践によってーーわたしは西部講堂での活動を紹介することによってーーいわばマルチチュードとして、オルタナティヴな〈場〉とその在り方を模索できる時間になれば、と思います。

汀(京都市立芸大)
2003年愛知県生まれ。京都市立芸術大学在籍(休学中)。2025年10月に〈汀〉を開始。認識と記号の関係について、インスタレーション作品の制作、企画や文章など活動は多岐にわたる。

このへや
2003年茨城県生まれ。2026年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。現在、京都市立芸術大学大学院美術研究科構想設計専攻1年。個人の作品制作をする傍ら、自分自身の置かれている状況を客観的に見るための手段として自宅を少し閉じたかたちで開放し、イベントや展示を行っている。
私的なことと公的なことの境界を混ぜる実践として、また京都で自分の居場所をつくる手段として、今年4月に「このへや」を始めた。月に一度ほど家を開放する「住み開き」によって、アーティストやアートに関わる人が、実験的な表現や、表現以外の方法を試せる場を目指している。
これまでに「魚を捌こう!即興料理の練習」「侵食vol.3サテライト企画 昨日の生活、明日の生活(トークイベント)」「オケ2(パフォーマンス&アーカイブイベント)」などを開催。イベントのない日は、友人が泊まったり、個人の制作や生活に使ったりする「住み閉じ」の場でもある。
場がもつ寛容な態度に関心がある。個人同士が直接向き合うのではなく、そのあいだに「場」があることで、関係のあり方が少し変わるように思う。例えば、喧嘩している二人でも、共通の場があれば、その関係のまま同じ空間で時間を過ごすことができる。
同時に「場を閉じること」にも関心がある。誰に向けて開くかを決めることは、誰かを排除することでもある。しかし、その排除は否定的なものではなく、場の性質をつくるために必要な選択でもある。誰にでも開くことだけが、寛容な場をつくることではない。誰と、どのような関係をつくりたいのかを考えながら、開くことと閉じることを繰り返す。その選択自体が、場をつくることなのではないかと考えている。

超家
都市や社会で曖昧に形成される「みんな」の立ち上げを試みる。特に友達の家と空間の狭間を掲げる「超家」の活動を主軸とし、一般住居を拠点に制度化された芸術空間とは異なる回路を模索。私共性や身体的対話を通じ、意味や役割に固定される直前のむき出しの運動やプロセスを共有する。作家と鑑賞者等の境界を撹乱し、生活圏内での文化的な繋がりを再編しながら「次が生まれる状態」を可視化する分散型拠点として実践を展開する。

共同書庫
2002年神奈川県生まれ。京都大学工学部建築学科卒。2025年に私設図書館「共同書庫」を設立。企画や展示のディレクション、空間・広報物のデザインを担う。大学在学中より空間・言語・ジェンダーの関係に関心をもち、リサーチと作品制作を行っている。
Instagram@minamimado.so
Instagram(共同書庫)@kyodoshoko
共同書庫は、個人の蔵書を収集・公開する図書室です。2025年2月、京都大学の自治寮である熊野寮出身者により開始しました。週4日図書室・喫茶として開館するほか、研究者・アーティスト・編集者・建築家など、さまざまな実践者の方をお呼びしてトークイベント・展示・読書会を行っています。言葉、芸術、そのほか私たちそれぞれの身体に合う手段を用いて、生活と社会について考え、オルタナティヴな知のあり方を模索する場所をめざしています。
場を持つことについて。京大に進学し、熊野寮という自治寮で共同生活を始めて、人と一緒に何かを考えたり作ったりすることの楽しさを知りました。でも一方で少しずつ、アカデミア的なものもアングラ/祝祭的なものも、どこか言語優位かつ特定の身体が前提にある世界なのではないか、と感じるようになっていきました。それぞれがそれぞれの方法で考えるための場の設計とは何か試行錯誤しています。
アーカイヴについて。共同書庫にある書籍を通じて過去の言葉に触れ、学び、現在の自分たちの関心について話す。それを記録に残し、共同書庫に蓄積していく、という形態が理想だなと思っています。自分にとってアーカイヴとは、連続している知に連なったり、それにカウンターパンチしたりする感覚です。また自身の研究や個人的な関心として100年くらい前の資料にあたっていくことが多く、これ残しておいてくれてよかったな、と思ったり、残されていないことの意味を考えたりすることが度々あり、そういう感覚が自身のアーカイヴ観になっているのだろうと思います。

1980年福岡県生まれ。美術作家。2019年より京都にてアートスペース「浄土複合」のディレクションを行う。著書に『失われたモノを求めて──不確かさの時代と芸術』(夕書房、2019年)。京都教育大学、立命館大学非常勤講師。
アップリンク京都スクリーン1
〒604-8172 京都府京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 新風館 地下1階
一般1,500円(ワンドリンク付き)
学生1,000円(ワンドリンク付き)
*オンライン配信も同額(一般1,500円、学生1,000円)
*現地:要予約・定員73名
京都市営地下鉄「烏丸御池」駅 南改札口直結